恋愛戦争




「うん、おいしい」



幸せそうに微笑を浮かべる彼女は天然だから怖い。きっと他の男もこうやって釣られているんだろう。


全員2度と顔見れなくするけど。



「あ、言っておくけど今日帰らせねーから」

「ふーん。了解」



こいつ以外なら決まる台詞もただの日常会話になって捨てられる。つらい。


了解ってなに。なんなのこの子。

そこは警戒心とか持つとこでしょ。襲われるとかドキドキとかさぁ!


襲わねーけどさ。



「ナツの料理はおいしいね〜」



こうやっていきなり創作ソングを歌いだすのも昔から。おいしいね〜のパートを繰り返しながら飽きると今度は俺を見る。



「ナツ、かっこいいね」

「ちょっ、いきなりかよ!」



いきなり爆弾ぶん投げてくるから受け止める側のことも考えてほしい。なんだよそれお前は可愛いよ。



「ありがとう、知ってる」

「その顔きもい」

「ひでぇな」



好きだけど、好きって言われたら戸惑うしかっこいいって言われたらキメ顔しちゃう。天邪鬼な俺はこういう反応しかできないのだ。



「あ、データ送らないと」

「車ん中」

「やだ、明日にする」



2人でいるときに仕事を持ち込みたくない。写真のこととなると妥協を許さない晶は仕事をし始めると構ってくれないからね。


それを見越してのこれ、俺頭いい。



「今日ね、すごく綺麗な顔してた」

「まじ?みたいんだけど取りに行こうかな」

「ナツって馬鹿」



写真を見ながら2人で話をするのは好きだったりする。



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