キミの最後の贈り物〜花言葉に想いをのせて〜
【椎名 蓮斗】
扉の横には確かに蓮斗の名前が書いてあった。
「あ……」
1人部屋らしく、他の人の名前は書いてなかった。
「じゃ、私はもうここで帰るけど。蓮斗に会うか会わないかは詩織ちゃんの自由よ。」
「会うに決まってます。」
私がそう言うと蓮斗のお母さんは、携帯の番号を教えてくれる。
「じゃあ、終わったらここに電話して。私の番号で迎えに行くから。じゃあね。」
蓮斗のお母さんはそう言って私に背を向け、歩き出した。
そして私は、扉を開け、病室に一歩足を進めた。