キミの最後の贈り物〜花言葉に想いをのせて〜




「え…っ……それって、どういう…!」



母さんが震える声でそう聞く。



その質問に医師は丁寧に答えてるが、俺の頭には入ってこなかった。



「治るんですよね…⁉︎ 」



「それは……」



口ごもる医師。


なんだよ、ハッキリ言えよ。




「正直、椎名くんの病状はかなり進行しています。だから…難しいでしょう。」




医師は言葉を濁しているけどつまり俺は、



「…俺、死ぬの?」



死ぬってことだ。



俺のその言葉に医師はコクリと頷き、母さんは子供みたいになきじゃくる。



やめろよ、みっともねぇじゃん。



なぜだか、俺の心は冷静だった。



いや、まだよく理解できていないと言った方が正しいだろう。




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