キミの最後の贈り物〜花言葉に想いをのせて〜




「蓮斗……っ!」



ガラリとドアを開けて蓮斗の病室に入る。



「あら、詩織ちゃん。来てたのね。」




……蓮斗のお母さんがいた。



「あ、はい、こんにちは。」



なんとなく気まずくて、目をそらしてしまう。




「蓮斗、じゃ、お母さんはもう帰るわね。」



そう言って立ち上がる蓮斗のお母さん。



「えっ、もう帰るんですか?」



さっき来たばかりなのに……




「えぇ、これから仕事なの。また夜来るから大丈夫よ。」



ニコリと笑って蓮斗のお母さんは病室を出て行った。



< 203 / 305 >

この作品をシェア

pagetop