キミの最後の贈り物〜花言葉に想いをのせて〜
「……?」
涙を隠すように飛んできたなにか。
そのなにかをソッと手で取る。
「え……」
ピンク色の花びらだった。
これって、桜の花びらだよね…?
周りをキョロキョロと見渡すけど、
桜の木はおろか、植物はほとんどなかった。
ていうか、その前に桜の季節じゃないし……。
となると、お墓のお供え物の花びらと考えるのが自然かもしれないけど……、
この花びらが飛んできたのはお墓がない方からだ。
ってことは……、
「泣くなってことなの?蓮斗。」
これは蓮斗からの贈り物かな。
「ふふっ、ありがとう。もう、泣かないよ。」
ニコリと笑うと、私たちの周りを優しく風が吹いたのであった。
【END】