虹をみつめて…。

合言葉



穂尭が言っていた集合時間の20時まで後20分…


そう…20時とは花火が上がる時間だ。




「真紘は後食べたいものとか、やりたい事とかない?」




気を使ってか、私が食べたいものとかやりたい事ばかりさせてしまった…


だからせめて1つぐらい、真紘の好きな事がしたい。




『んー…じゃぁキス』


「…へっ!?」




えっ!?


嘘、この人混みで!?


と思った瞬間、手を引かれて屋台の通りから抜け出した。


屋台の灯りが遠くなり、静かな場所に入った。


誰もいなくて、照らすのは1つの街灯だけだった。




『ここなら誰もいない。』


「…」




そっと握っていた手を離し、私の肩に真紘の大きい手が乗る…



< 285 / 360 >

この作品をシェア

pagetop