虹をみつめて…。
合言葉
穂尭が言っていた集合時間の20時まで後20分…
そう…20時とは花火が上がる時間だ。
「真紘は後食べたいものとか、やりたい事とかない?」
気を使ってか、私が食べたいものとかやりたい事ばかりさせてしまった…
だからせめて1つぐらい、真紘の好きな事がしたい。
『んー…じゃぁキス』
「…へっ!?」
えっ!?
嘘、この人混みで!?
と思った瞬間、手を引かれて屋台の通りから抜け出した。
屋台の灯りが遠くなり、静かな場所に入った。
誰もいなくて、照らすのは1つの街灯だけだった。
『ここなら誰もいない。』
「…」
そっと握っていた手を離し、私の肩に真紘の大きい手が乗る…