虹をみつめて…。



-碧斗 side-


後20分で集合時間か…


ずっと一歩先で奈々がはしゃぐから、はぐれないか大変だったけど。


いったいどれくらい食べたんだ?ってくらい食い意地が張っている…




「後はりんご飴!」


『はっ?まだ食うの!?』




俺なんて見向きもせずに、お金を払ってりんご飴を1つ買って戻ってきた。


しかもおっきい方だし…




『奈々、ちょっとあっち行こ』




奈々の腕を引っ張って、屋台から少し離れたベンチに腰を下ろした。


隣で美味しそうにりんご飴を舐めている…


ん?


ふと奈々の右足に視線を落とした。


右足…血出てんじゃん。


奈々ならしそうだと思って一応、絆創膏持ってきてあるし助かった…


一息つく間もなく立ち上がり奈々の前にしゃがんだ。




『右足、痛いなら早く言えよな?』


「…バレた?」




おどけて笑う奈々。


ったく、はしゃぐだけはしゃいで…


右足の下駄を脱がして、親指と人差し指の間に絆創膏を貼っていく…



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