虹をみつめて…。
-穂尭 side-
渚、手紙ちゃんと渡したよ。
これで俺の役目は終わりだな。
手紙を渡す相手が彩葉で良かったよ。
「あのー…手」
『えっ!?
あ、ごめんごめん』
奈々ちゃんと夏奈の手を離す…
広場は人がちらほらいるぐらいだった。
夏奈は浴衣が崩れてないか確認し、また手を握ってきた。
さりげなさがまた可愛い…
「穂尭さん…でしたっけ?
ほんとに夏奈の事好きなんだね」
『えっ!?』
「だって、幸せそうな顔してますし」
奈々ちゃんは下の方で二つ結びされた髪を指でくるくるしていた。
俺、そんなに顔に出てる!?
やば、すげー恥ずかしい…
「穂尭は嘘つけないタイプだね!」
「あーわかるかも!」
えー…
助けを求めるように碧斗に目をやると、一人で空に浮かぶ月を見ていた。
それにいち早く奈々ちゃんが気づいて、後ろから碧斗に乗っかる。
なかなか心を開かなかった碧斗の心を、すんなり開けたんだろう。
「碧斗も穂尭さんみたいに笑ってよ?」
『いや』
「なんで?」
奈々ちゃんこそ、碧斗の事大好きじゃん。
とびっきりの笑顔…
それを嬉しそうに見る夏奈。
ほんと良かったね。
『そーだぞ!碧斗!
もっと笑えよ♪』
「ですよね?
穂尭さんわかってるー!」
『んだよ、穂尭まで…』
「碧斗、奈々を泣かさないでよ?」
夏奈までも奈々ちゃんに乗っかる…
体勢を崩す碧斗。
どんだけ仲良しなんだよ。
『わかってるって』
なかなかいいメンバーだよ。
早く戻ってこいよ真紘…
-穂尭 side end-