虹をみつめて…。



今、真紘がどんな顔してるかわかる。


ベッドカバーが涙で濡れて、水玉模様になっていく…




《今、彩葉の涙を拭ってあげられないのが悔しいよ》




電話越しで首を左右に降る。


今、側に真紘がいたらすがってしまう。


自分でなんとかしなきゃ…




「私は大丈夫だよ」


《でも…》


「心配ありがとね…」




きっと心配して電話くれたんだ。


心優しい真紘が大好きだ。


心配させたくない…


できる限り二人の時間は笑ってたいから。


手紙をしまうため封筒に目を通すと、まだ何かが入っているようだった。


中から出してみると1枚の写真が入っていた…




「これって、渚さん?」




セーラー服を着て、髪を胸元で切りそろえた女の子…


隣で笑っているのは学ランを着た真紘だろう。


幼い…


渚さん可愛いなぁ…


中学の時の写真だから、本来なら同い年の渚さんが年下に思えてしまう。




《もしかして写真!?》


「うん…」




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