虹をみつめて…。




窓辺で電話する碧斗に目を向けた。


さっきから何やらずっと、奈々ちゃんと言い合っている…




『わかってるって!
じゃぁ切るからな!』




どうやら一方的に電話を切ったみたいだ。


スマホを下ろすと深いため息をつく…


最近はよくこの光景を目にする。




「奈々ちゃん?」


『あぁ。
デートデートうるさくてさ』




呆れながら壁に持たれて腕を組んだ。


わがままか…


自分の言いたい事を言ってくれる方が助かるはずなのに、奈々ちゃんはその領域をどうやら超えてるみたい。




「ため息つくと幸せ逃げるよー?」


『ただの言い伝えだろ』




確かに言い伝えかもしれない…


だけどそんな気もしなくもない。


幸せかぁー




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