虹をみつめて…。




目を覚ますと、知らない天上が目に入った。


…ここどこ!?


あれ?


おかしい…



い、痛い…


なぜか膝と肘がヒリヒリした…


窓には眩しい光が差していた。


昨日、確かバイクとぶつかって…




「目が覚めた?」




えっ!?


目の前で優しく微笑む看護師さん…




「昨日の夜、バイクとぶつかってここに運ばれてきたのよ」




隣でお母さんの声がした…


病院だ。


昨日、ぶつかってからの記憶がない。




「頭を3針塗って、膝と肘を擦りむいたのよ?」


「えっ!?嘘!?」




お母さんの言葉を疑って頭に手をやる。


指先には包帯の感触…


あっ!

指輪!



心配して見てみると、傷がなかった。


良かった…


せっかく真紘にもらった宝物を、傷つけてはならない。


安心してそっと胸を撫で下ろす。




「一応、彩葉がよく言う…なっちゃん?っていう人には連絡しといたけど…」


「あ、ありがと…」




なっちゃんごめん。


心配かけた…




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