虹をみつめて…。



せっかく浅くなった心の傷をまた…


思い出させたよね。


辛かった数々の記憶を…




『渚みたいに…彩葉もいなくなると思った…』


「心配しないで?
私はここにいる。
決していなくならないよ!」




真紘が頷いてくれたのがわかった。


きっと寂しかったんだ。


渚さんがいなくなってから、一人が寂しいと感じたのかな?


なら、真紘の孤独を分けてよ…


悲しい思い出は半分こしようよ。




『だよな、渚じゃないもんね。
俺が今好きなのは彩葉だもんな』


「…」


『俺はもう大丈夫!
あっ、ちょっと待って…
泣き顔見られたくない…』




私がゆっくり手を離すと、後ろを向いて涙を拭った。


そして振り返っていつもみたいに笑ってくれた。


私は真紘の笑顔が一番好き!





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