恋の定義──そして今日も、君を想う──
「あったんだ。」

「いや…あったような…なかったような…。」

「どういう意味だよ?」

ユウは、うーんと小さく唸ると、ネクタイを緩めて制服のシャツのボタンを二つ目まで外し、チラッと指輪を見せる。

「これ。」

「何?」

「レナから、もらった。」

ユウはそう言って、指輪を隠すように、またシャツのボタンを留める。

「それって…。」

「誕生日プレゼントだよ。オレとレナ、誕生日が一緒でさ…。レナのおふくろさんからテーマパークのチケットもらって、一緒に行ったんだ。その帰り道に露店でお互いに指輪を買って、プレゼントし合った。」

「それだけ?」

「えっ…。」

「だけじゃないよな?」
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