恋の定義──そして今日も、君を想う──
遠い日の二人①――高2・春…おかしな四角関係――
高校2年生になる日の朝。


レナはいつもの駅のプラットホームで電車を待っていた。

いつもは一緒にいるユウが、今朝はバンドのミーティングがあるからと、先に学校に行ってしまったため、珍しく一人だった。


「おはよう、レナ。」

「マユ…おはよう。」

親友のマユに声を掛けられ、安心したようにレナは微笑んだ。

「あれ?ひとり?片桐は?」

「今日はバンドのミーティングだって。3本早い電車で行ったみたい。」

「ふうん、そうなんだ。」

やがてプラットホームに滑り込んだ電車に乗り込むと、レナたちの通う高校の最寄り駅で降りる。


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