恋の定義──そして今日も、君を想う──
「高梨さんは、片桐くんと二人でいても何もないって言ってたけど…。恋人同士じゃなくても、男と女が二人きりでいて、普通そんなの有り得ないよね。それが本当なら、ただ片桐くんが何もできなかっただけじゃないの?」

「……!!」

(もうやめてくれ…。)

まるで心のうちを見透かされているような、そんなサエの容赦ない言葉が、ユウの心をえぐる。

「普通って、何?」

「片桐くん…私と、付き合って。ただ優しいだけじゃなくてもいい。私、片桐くんになら、何されてもいいよ。」

そう言うとサエはユウの首に手をまわし、ユウの頭を引き寄せるようにしてキスをした。

(……!!)

< 191 / 541 >

この作品をシェア

pagetop