恋の定義──そして今日も、君を想う──
学校に着くと、ユウの姿はまだなかった。

レナは少しホッとしながら、何事もなかったふうを装って席に着く。


しばらくぼんやりしていると、ユウが教室に入ってきた。

(ユウ…。)

そっとユウから視線をそらすと、その隣にはユウの腕に絡み付くようにして満面の笑みを浮かべるサエの姿があった。

途端に教室にいたみんながざわつく。

隣の教室から血相を変えたマユが、レナのそばへ駆け寄って来て、レナの腕を引いて教室の外へ連れ出した。

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