恋の定義──そして今日も、君を想う──
今日もレナは、いつもユウと一緒に歩いた帰り道を一人で歩く。

家にいても、学校にいても、どこにいてもユウと一緒に過ごした記憶で埋め尽くされていた。

一人でいるのが、こんなに寂しいとは思わなかった。

当たり前のようにいつも隣にいたユウが、いない。

いつも優しく頭を撫でてくれた手は、もうここにはない。

今頃、はぐれないようにと繋いでくれた温かな手で、サエを抱きしめているのかも知れない。


(ユウが…知らない人みたいになっちゃった…。)



大人になると何かを失うかも知れないと、ずっと思ってきた。

でも、それが何かはわからなかった。

ただ、今、思うのは…確実に、ユウと言う特別で大切な存在をなくしてしまったのだと、レナは思った。


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