恋の定義──そして今日も、君を想う──
「レナは進路決めたの?」

「まだ…。」

夕食を取りながら、リサは元気のないレナの様子が気になっていた。

経営者と言う仕事柄、常に忙しくあまり一緒にいられない上、父親を早くになくしたレナには、いつも寂しい思いばかりさせてきた。

それでも、同じ母一人子一人ですぐ隣に住む直子とユウをまるで家族のように思い、お互い支え合ってきたお陰で、レナの寂しさも少しは和らいでいたのだとリサは思う。

しかし、レナは何も言わないが、最近あまりユウとは一緒にいないようだとリサはなんとなく気付いていた。

ケンカでもしたのかとも思ったが、どうやら違うらしい。

多感な年頃と言うこともあり、ましてや18歳にもなると、幼なじみとは言え、男女のことは難しい。

リサは、あえてその話題には触れないでおくことにした。

娘を信じて、見守ることにしようと思ったのだった。

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