恋の定義──そして今日も、君を想う──
その夏、レナはある新聞社で行われた写真コンクールで大賞を受賞した。

それは、いつか昇降口で夕陽に向かうユウの後ろ姿を撮したものだった。

タイトルは、“遠い背中”。

大賞を獲ったことを一番に伝えたいユウは、もうここにはいない。

でも、いつか…もし、また会えたら…。

その時は、お互い笑って話せるだろうか?

いつかのように、笑って写真を撮り合ったり、できるだろうか?

そうなることを祈りながら…。

レナは、ユウが残したネックレスに、ユウの指輪と一緒にユウがプレゼントしてくれた指輪を通して身につけた。

二つの指輪が寄り添うように揺れている。

まるで、いつも一緒にいた頃の二人のようだった。


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