恋の定義──そして今日も、君を想う──
レナは、ずっと決められなかった進路を決めて、夜遅く仕事から帰ったリサに言った。

「リサ…私、芸大に行って、写真の勉強する。カメラマン、目指すね。」

「そう…頑張ってね。」


ユウがいなくなってからずっと悲しそうにしていたレナを、リサは少しでも長くそばにいるように気遣いながら、ただ黙って見守っていた。

大切な人との別れを乗り越えながら大人になっていくことを、知っているからだ。




その夏は、リサとレナにとって、今までに経験したことのない、静かな夏だった。


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