恋の定義──そして今日も、君を想う──
何から話せばいいものかと、ユウはユウで戸惑っていた。

レナは、さっきからこちらを見ようともしないで目をそらしている。

(仕方ないか…。あんなところ見られちゃったしな…。)

ユウは運ばれて来た料理を口に運びながらも、味わう余裕もなかった。

レナは時々料理とワインを口にしながら、隣の席のタクミからの問い掛けにためらいがちに答えている。

「ハイ、あーちゃん、飲んで飲んで。」

空になったレナのグラスに、ボトルのワインを注ぐタクミを見て、ユウは少しの苛立ちを覚えていた。

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