恋の定義──そして今日も、君を想う──
レナにとって須藤は、歳の離れた兄のようでもあり、時に父親のように見守ってくれる存在でもあった。

ユウが突然いなくなって落ち込んでいた時も、須藤は何も言わずにただ黙って、レナの寂しさや悲しみを静かに受け止めてくれたのだ。


レナがカメラマンとして彼の下で働くようになってからは師匠でもある。


そんな須藤が、ニューヨークに住む友人と共に写真スタジオを立ち上げ、仕事と生活の拠点を移すと言う話が持ち上がったのが半年前のことだった。

その時、彼はレナの将来を誰よりも心配し、ニューヨークに一緒に行かないかと誘った。

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