恋の定義──そして今日も、君を想う──
マユは笑いながらグラスにワインを注ぐ。

「小学校4年の時にレナと片桐と仲良くなってから、ずっと好きだったんだけどね。アンタ、レナしか見てなかったし。私はレナも大事だし大好きだし。一緒にいるうちに、レナに一途な片桐を好きなのかなぁって思ってみたりもしたけど、やっぱりね、自分の想いを伝えることも受け入れてもらえないのも、ツライじゃない?だったら、片桐とレナがくっついちゃえば、安心してあきらめられるのかもとか…。」

笑って話すマユだったが、ユウはまだ言葉を失ったままだった。

「でもさ…片桐は臆病で奥手だし、レナは鈍感だし、全然進展しないから、自分の気持ち含めてどうしていいかわからなくなって…無理して他の男の子と付き合ってみたりもしたけど…全然楽しくもなかったし、虚しいだけだった。」

「うん…オレも…。」

やっと呟いたユウの言葉に、マユはなるほどと言ったようにうなずく。
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