恋の定義──そして今日も、君を想う──
「退屈しなかった?」

「ん?何が?」

「今日…そんなに楽しめるような場所じゃなかったでしょ?」

「いや、楽しかったよ?」

「そう…?なら、良かった。」

レナと二人でいて退屈なんてするわけがない。

喉元まで出掛かった言葉が照れ臭くて、ユウはビールと一緒に喉の奥に流し込んだ。

「また連れてってよ。」

「……そうだね…。」

うん、とは言えず、レナは曖昧に答える。

レナは、もうすぐニューヨークに行くことも、須藤と結婚することも、ユウに言えないでいた。


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