恋の定義──そして今日も、君を想う──
事務所を出て、練習のためにスタジオ入りしたユウは、ギターのチューニングをしていた。

そして、ぼんやりと考えながら手を止める。

(目も合わせてくれなかった…。)

バーでお酒を飲みながら話したり、二人で出掛けたりして、ようやく少しは昔みたいに話したり笑ったりできるようになったと思っていたのに、今日のレナは再会した日のように、話すことはおろか、目を合わせようともしなかった。

前にキスしているところを見られた時とは違う女の子に抱き付かれたりしている姿を見て、レナはどう思ったのだろう?

(呆れられてんだろうな…。)

思わずユウは、ふうっと大きなため息をつく。

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