恋の定義──そして今日も、君を想う──
涙を流しながら、レナはステージの上のユウをカメラで捉え、夢中でシャッターを切る。


(本当は、ずっと、ユウと…。)


ユウの歌声は、甘く、切なく、レナの胸をしめつける。

無邪気に笑い合えた頃の遠い記憶が蘇り、涙はとめどなく溢れた。



あの頃の想い。

今の素直な想い。

レナへの気持ちを、ユウは自分にできる方法で伝えようと、ありったけの愛しさを込めて、優しく歌い上げた。

ユウの曲が終わると、会場は大きな歓声と温かな拍手に包まれた。

「……ありがとう…。」

ユウは小さくお礼を言うと、静かにステージを去った。


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