恋の定義──そして今日も、君を想う──
心に引っ掛かる何かを振り切るように、仕事に没頭するレナ。

明るく振る舞いながらも、時折どこかぼんやりと遠い目をしている。

それでも須藤は、レナには敢えて何も聞かずにいた。

何かにひどく傷付いたようにうつむいたかと思うと、時折、祈るように両手を胸元にあてて目を閉じる。

そして静かに目を開くと、寂しげに笑みを浮かべるレナ。

今までに見たことのないレナの表情はとてもキレイで、触れると壊れてしまいそうなほど儚げだった。

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