恋の定義──そして今日も、君を想う──
早朝からの撮影の仕事のため、レナはまだ暗いうちから部屋を出て、いつかユウと一緒に来たことのある海辺の町へ来ていた。

旅の雑誌に掲載するための写真を撮りながら、ユウに何も言わずに出てきてしまったことが、少し気になっていた。

(おまけにスマホ充電し忘れて、いつの間にか電池切れちゃってるし…。)

ユウは、心配しているだろうか?


夕べはあのまま、部屋に籠って一言も話さなかった。

ユウとまともに顔を合わせる自信がなかったレナは、朝早くに起きてシャワーを浴び、着替えや化粧を手早く済ませると、ユウを起こさないように静かに部屋を出たのだ。

(意地張ったりして子供っぽかったかな…。)

いろんなことがレナの頭をよぎったが、必死で雑念を払い、仕事に没頭した。
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