恋の定義──そして今日も、君を想う──
「すごい雨…。」

レナが不安そうに呟く。

(レナ、雷苦手だもんな…。)

ほどなくして、レナの不安は的中。

真っ黒に雨雲の垂れ込める空には稲妻が走り、ゴロゴロと轟く雷鳴がどんどん近付いて、次第にその音が大きくなる。

レナはギュッと口を結び、手を握りしめ、肩を小さく震わせている。

ひとりの時は部屋で布団に潜り込み、耳をふさいで雷が過ぎ去るのを待っていると言う。

(可哀想に…。めっちゃ怖がってる…。)

ユウは、レナに頭からすっぽりとブランケットを被せてやると、すぐ隣に座り、その背中をトントンと優しく叩いてやる。

レナは、ブランケットの中で膝を抱えて小さく震えていた。

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