心掻き乱れるほど恋い焦がれて
翔太のことなら何でも知ってるって思ってた。
それでも、私たちはまだ、お互いのことを幾らでも知るチャンスがあるって分かった。
相手を想うことも、言葉を紡ぐことも、身体を繋ぐことも、どれも大切なことだって気づけたから。
「翔太」
「ん?」
「私、ずっと翔太の傍にいたい。翔太と、嬉しいことも悲しいことも全部全部共有していきたい」
「綾奈?それって……」
翔太が私の瞳を探るように見つめてくるから、私はそのまま、うん、って頷いて見せた。
翔太の顔にみるみるうちに笑顔が広がって、そのままギュッと抱き締められる。
そのまますぐに肩を掴んで身体を離されて、真剣な瞳が私を真っ直ぐに見つめてきた。
「一生だぞ?」
「うん」
「取り消しきかねぇかんな」
「うん」
「待ったもなしだぞ?」
「うん」
「俺は結構重いしあんまり自由にはしてやれないから」
「翔太」
ずぅっと言い続けてそうな翔太を制して名前を呼べば、静かに交わる視線で互いに噴き出した。
どちらともなく顔を寄せて啄ばむようなキスを繰り返して、そっと手を引かれて翔太の部屋に歩き出した。