風に恋したキミと
「よーし!ラスト走り終わったら各自種目練習!」
「「はい!」」
部長の指示を聞くと、みんな種目練習ができることに生き生きしているのが分かる。
「俺たちはもう走り込みやらないし、先に筋トレの準備するか」
「……はい」
園田先輩と視線を合わせずに、ただ聞こえた言葉だけに反応して、園田先輩の後について行こうとした。
だけど……。
ーパチンッ!
目の前で大きく手が叩かれた。
「小川、いったいどうしたんだよ。
せっかく治ってきたのに、そんな気を抜かしてるとまたどっか怪我するぞ。
ったく、話聞いてやるから早くついてこい」
園田先輩はそう言うと先にスタスタ歩いて行ってしまった。