風に恋したキミと



「は?アイツが小川を嫌う?何かの間違いだろ?



さっきも佑真と話したけど、そんな感じ全然しなかったし



確かに、昨日は少しイライラしてたけど、後から聞いたら自分の思い通りの走りができなくて虫の居所が悪かったって言ってたからそんなことねぇと思うけど」



わたしはフルフルと首を横に振った。



違う。



きっと桐島は他の人に相談とかしないで、自分でどうにかする人だから、気付かれないように園田先輩にも振る舞ってるだけだ。



「あははっ……わたしいったい桐島に何をしちゃったんですかね?



自分に見に覚えは何にもないですけど、冷たい態度を取られるってことは



わたしが……ひっく、何か……しちゃったって……ぐすっ、ことですよね?」



我慢し切れなくて零れ落ちて来た涙を右手で急いで拭った。



「小川……もしかして」



園田先輩はそれだけ言って、それ以上言葉にするのをやめた。


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