風に恋したキミと
「はいっ!」
わたしも負けないくらい笑顔で答える。
桐島と仲が良い園田先輩も良いヤツだって言うんだから、わたしが好きになった人は間違ってないよね。
「やっぱりな。ならいい!
小川、今から走る準備しろ。外周思いっきり走るぞ」
いきなりそんなことを言ってきた園田先輩。
いったい先輩は何を考えて……。
「えっ?先輩何言ってるんですか!
わたしたちまだ病院の先生から走る許可もらってないのに」
わたしが必死に説得しても、全然園田先輩の耳にはちっとも入ってないようで
彼は靴ひもをいつもよりもきつく結んで本当に走ろうとしている。