風に恋したキミと
「今日くらいいいんだよ!俺もう走れなくてそろそろ爆発しそうだし。
怪我してから、記録会も大会も出られなくてストレス溜まりまくり!」
ほら行くぞ!と言って先に歩き出した園田先輩。
わたしは本当にいいのかな?と思いながらも、その場で突っ立ってられるほど走ることに我慢ができなかった。
園田先輩の背中を追いながら、わたしは途中で止まりながら足首を回したり、肩を回して
内心もうあとのことなんてどうでもよくなってしまった。
「橋本にバレたら、怒鳴られるからちょっとだけだからな。
絶対悪化させんなよ!」
悪戯な笑みを浮かべて園田先輩はそう言うと、わたしたちは久しぶりに地面を蹴って走り出したんだ。