風に恋したキミと
「わたし、ボール取ってくるー!」
荷物を置くと、すぐにボールを探しに足を向けた。
だって桐島がきりっしーって書いてあるのに気付いたらいったいどんな反応をするのか楽しみで、なんだか笑いが止まらない。
今のわたし周りから見たら絶対に変な人だ。
女性、子ども用と書いてあるボールのところにつくと、指を入れて持ち上げては、重さや指が簡単にすっぽ抜けないか調べていた。
「うーん、これでいいかな?」
と言って選んだのは8と書いてあるボール。
何回か投げて合わなかったら、またくれば良いよねと思いながら落とさないように両手に持って桐島のとこに戻ると……。
「おい、お前。これどうゆうことかだよ?」
不機嫌そうにモニターを指差しながらわたしを睨みつけてくる桐島。