風に恋したキミと
いったーい!あんなに強くほっぺ引っ張らなくてもいいのに……。
本当に桐島はわたしが彼女でも全然手加減してくれないんだから!!
わたしはじーんと痛む頬をさすりながら桐島が帰るのを待っていた。
そして思ったんだ。
「もう桐島にイタズラをするのはやめよ」
って……。
だって倍返しされるんだもん。
桐島はボールを持ちながら戻ってくると
「よっし!俺から投げるぞ」
と言って、ボールを一度ボールリターンに置くとジャージの袖をちょっとめくってやる気が出てきたように見えた。