風に恋したキミと
「だって……桐島が笑うと、わたしも嬉しくなるんだもん」
返してっ!と強気で言うと急いで短冊をポケットにしまって、なかったことにしようとした。
だけど桐島はその前にスッと奪い取ると、隣同士で桐島は何も言わずに短冊を掛けて
……そっとわたしの手を握った。
「俺もそんなこと願ってもらえるなんて思わなくて
……嬉しかった」
といつもにない小さな声で言って、桐島の顔を見るとすごい照れくさそうな顔をしていた。
そして、じっと見るわたしの視線に気づいたのか「見るな!」と言ってわたしと反対を向く桐島。
でも手はぎゅっとさっきより握られて。
少し経って「明日も部活あるし帰るぞ」と桐島は言うと、わたしは桐島に手を引かれながらボーリング場を後にしたんだ。
帰り道にもう一度、きりっしーを封印するように言われながら。