風に恋したキミと
「今日は練習前にこれを書いてもらう。
手元に渡ったら、名前と種目名を書く欄を埋めて待ってるように!」
そう言って、橋本先生は両端の部員にプリントを渡して回すように声をかけていた。
「きっとさ、新人戦のことについてだよね?」
「たぶんね、さやかはもう新人戦の目標は決まった?」
隣にいるさやかに聞きながら、わたしは回ってきたプリントを受け取ってさやかに渡す。
「うん…そこまで行けるかは微妙だけど。莉桜は?」
「わたしも怪我してロスしちゃったけど、目指したいとこがあるんだよね」
周りからしたら高望みしてるって思われるかもしれないけど、自分の中では頑張れば届かない場所ではないって思いたい。
さやかに見せたら……びっくりするかな?
「そしたら後で紙書き終わったら一斉に見せようよ!」
「うんっ!」