風に恋したキミと
「莉桜お疲れ!惜しかったね!でも県大会で抜かせば」
そう励ましてくれたさやかを涙を拭いながら無視をして
「お疲れ!」と応援してくれていたみんなから走って逃げ出した。
「うー……ぐすっ」
もう嫌だ。わたしが疲労骨折なんかしなければ勝てたかもしれないのに。
ドクターストップって言われても走り続けたら勝てたかもしれないのに。
それに今回のタイムだって向かい風の影響もあって、絶対に自己ベストは出せてない。
わたしはスタートの時に押した腕時計のストップウォッチを無理矢理リセットにした。
悔しい、悔しい!
県で1番になりたいのに、予選で2位じゃ絶対になれっこないよ。