風に恋したキミと
わたしは誰もいない一面に緑で広がる芝生の上に座って、両手で涙を拭う。
「あの選手には……わたしはずっと勝てないのかな」
下旬にある県大会も
来月の駅伝も
3年生になってからも……。
わたしの隣にはいつもあの人が笑ってて、わたしはそのたびにこうやって「悔しい」って1人で泣いてるのかな。
わたしは首をフルフルと横に振る。
そんなこと絶対に現実になんかしたくない。
前回も負けて、今回も負けて、次回もなんて。
そんなの絶対に走ってて楽しいって気持ちがどっかに消えてしまう。