風に恋したキミと



「ごめん…ありがと」



わたしはランニングシューズを受け取ると、スパイクの紐をほどいてランニングシューズに履き替える。



あれ?ランニングシューズ……。



「どうして桐島がわたしの持ってるの?」



「何だっけ?本田?高田?とか言う奴からもらってきた」



眉を寄せながら誰かの名前を言う桐島。



本田?高田?そんな人この部活にいないけど。



でもわたしのランニングシューズ預けたのはさやかだ。



てことは……。



「さやかでしょ!しかも会田だし!誰のこと言ってんのかと思ったじゃん」



もう1年半以上一緒にいるのに部活の子の名前も分からないなんて何だか笑えてくる。



< 200 / 361 >

この作品をシェア

pagetop