風に恋したキミと
「……どんなことやるにしたって楽しくなければ続かない」
桐島の言葉がスッと自分の中に入ってくる。
自分の心が落ち着いて来てるのが分かるような気がする。
「そうだよ。今のままだとそのうち走る意味分からなくなって、走るのが嫌いになるぞ。
お前だって走るの好きなんだろ?」
わたしは桐島にコクンと頷く。
「だったらそんな世界が終わったような顔すんなよ。
いいか、まだ今日負けた奴とは県大会でもう一度走るんだからな。
予選なんかでへこたれてんじゃねぇよ。
どうせへこたれんだったら県1位になって地方大会に行けなくなったらしろよ」