風に恋したキミと
そうだ、まだ新人戦は終わったわけじゃない。
本番は2週間後の決勝だ。次の3000m走り終わった結果が新人戦でのわたしの成績になる。
決勝でもう1度あの選手とわたしは戦えるんだ。
こんなところでへこたれてる場合じゃない。
目標にばっかりに捕らわれてないで、自分の走りをすることを考えて
何より……楽しんで走らなくちゃ!
「どうする?まだへこたれるか?
俺、そろそろ召集だからへこたれるなら置いてくけど」
「ううん!もうへこたれるのやめる!」
そう言って、わたしはスパイクを片手で持ってゆっくり立ち上がった。