風に恋したキミと



わたしはもう壊れるんじゃないかってくらい腕をいっぱい振って、足も前へ前へと伸ばした。



そしてやっとゴールのラインを踏むことができた。



「最後びっくりしたよ!1着」



と順位をカウントする人に言われた。



“1着”という言葉が自分の中でパンっとはじけるように響き渡る。



もう嬉しくて仕方ない。



だってわたしが、わたしが県で1番3000m速いなんて。



実感できないよ。



スタンド席からわたしの名前を呼んでみんな喜んでくれてる。



その中には桐島もいて。



初めて桐島も笑顔で喜んでる姿が見れた。



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