風に恋したキミと
「いいって言ってんのに!変なとこ頑固だよな。しょうがねぇな」
と言って、桐島はスマホを取り出してわたしにお母さんのラインを教えてくれたんだ。
そして家に帰ってからゆっくりお礼をすると、
【わざわざありがとうね。次の大会の応援にも行くから、その時に会いましょうね!今日はおめでとう!佑真のことよろしくお願いします】
とお返事が来たんだ。
桐島のお母さん良い人そう。
次の大会はおそらく駅伝大会の予選。とても緊張するのが目に見えてるけど、でも会ってみたい気持ちもあったり。
こうして幕を閉じた新人戦。
本当はもう少し続くんだけど、明日から全国大会に向けて駅伝に専念するからわたしは事前に橋本先生に言われていたとおり棄権することが決まった。
悔しくて泣いたり、1番になることにムキになったりしたけど、それでも自分の手で1番の位置を掴みとることができた初めての達成だった。