風に恋したキミと
「いいか!去年全国大会に出れたのはお前らの力で行ったんじゃない。
卒業した3年生に連れてってもらったんだからな。
去年出れたから、今年も出れるなんて生ぬるいことを1人でも考えた時点で
いくら真剣に他のヤツが練習したって、全部水の泡になることをよく覚えとけよ!
とりあえず、今日のメニューは男子24キロ、女子18キロの長距離を走りきること。
今日は1kmのタイムは設定しないが、明後日からは設定するからな。」
「「はいっ!」」
1年生はいきなり橋本先生の言葉を聞いて、小さく声を上げたり、驚いた表情をしている。
去年の自分も思わず口を覆ってしまうくらいびっくりして、わたし死んじゃうじゃないかと思ったくらい。
でも今年のわたしは驚いたりなんてしない。
だって本気で駅伝メンバーに選ばれることを目指してるんだから。