風に恋したキミと
「よしっ!みんな走れるんだな。そしたらスタートラインにみんなつけ」
パンッ!
先生が手の叩く合図とともにわたしたちは一斉走り出した。
前の方は3年生の先輩たちが陣取ってたから、スタートは不利だった。
でも少しずつ前に出ながら、長距離の3年の先輩2人についていく。
とにかく本番の駅伝大会まで毎日これを走るんだから、今日はこの距離を体に叩き込まないと。
男子の先頭の部員が1周するたびに、橋本先生は周数をみんなに聞こえるように大きな声でカウントしていく。
走っても走ってもゴールの道は遠い。
女子に抜かされることはないけど、男子にサラッと追い抜かされるし、本当に先輩達についていくのに精一杯だ。
日数を重ねるたびに、みんなも疲れが貯まっていった。
だけど、橋本先生のメニューはどんどんきつくなっていった。
特にわたしには個人的に“女子なのに男子のトップ集団と走れ!”、”休憩いいからお前は走り続けろ!”など橋本先生からの当たりは桐島の言ったとおり強くなっていった。
周りのみんなが心配して、『このままじゃ莉桜が怪我をします!』と心配して言ってくれたけど、
『お前らに口出しされる筋合いなんかねー!』と言われてこれが逆らった現実なんだったって思った。