風に恋したキミと



「1区は神野。スタートはお前に任せた。必ず1位で帰ってこい」



「はいっ!」



神野先輩は大きく返事をすると、ホっとしたような表情を浮かべていた。



この部活の長距離のエースだから神野先輩は絶対に選ばれると思ってた。



1区かアンカーのどっちかとは思ってたけどチームのリズムを作る1区に選ばれて、みんなも盛大に拍手をしている。



「そして2区、桐島、お前に任せるよ。自分の専門種目とは全然走り方が違うが



それでもタイムトライアルでは常にいいタイムでゴールをしていた。



俺はこのタイムなら区間賞も狙えると思うぞ。



神野が走りやすいスタートにして帰ってくるから、桐島は楽しく走れ」



「はい!頑張ります」



桐島はハキハキとした返事をして、凛とした表情で満ちていた。



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