風に恋したキミと



2区には浅岡先輩が選ばれていて、1区と2区の3年でチームのリズムを作ってこいと橋本先生は2人に言っていた。



そしてわたしが走りたい3区。



お願い、小川ってわたしの名前を呼んで!!



絶対わたしが先輩から襷をもらってもっと差を作るから。



「3区は古川。長い距離を走るまでのスタミナは正直そこまで秀でてるわけじゃないが、3kmを走るにはメンバーに抜擢してると思ってお前にした」



「はい!ありがとうございます」



どうしよう、わたしの名前呼ばれなかったよ。



責任重大なアンカーはわたしには絶対向いてないし、次で呼ばれなかったらわたし……。



ふと握っていた両手を見るとうっすら汗を掻いていた。



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