風に恋したキミと
「4区も同じ理由で選んだ。佐野に任せるぞ。
ギャーギャー騒ぐムードメーカーにもいいなと思って。緊張してるメンバーを和ませてやれよ」
「はいっ!任せて下さいっ!」
と右手を大きく挙げて返事をすると、一気に笑いがあがった。
だけど、今のわたしは全然笑えない。
黒沢先輩よりも速く走ることはできなかったけど、それでも女子の中では2位をキープしたのに。
わたしは駅伝メンバーから……外されてしまった。
もう体育座りをしたままグラウンドの砂を見つめることしかできない。
そんなわたしを見兼ねたさやかは「まだ分かんないって!次莉桜が呼ばれるよ!」って小さな声で呼んでくれるけど、小さくフルフルと首を横に振った。
わたし……頑張ったけど橋本先生に認めてもらえなかった。